《MUMEI》

「ふぁあ〜…今日も早いですね…」
「あぁ、おはよう」
「…///」

昨日は克哉さんが帰ってくる前に寝てしまったので、克哉さんと…する事は無かったんだけど…。

僕は変な夢を見て、まだまだドキドキしていた。

最近はご無沙汰だったってだけなのに…こんな夢を見るなんて。

(僕、欲求不満なのかな…やっぱり)


「アキラ、どうしたボーッとして?」
「えっ、いや…その…何でもないですι」

そんな事を考えるなんて、克哉さんも仕事が忙しいだろうし…そんな事に構ってられるワケが無いよね。

でも…克哉さん……僕は…。


「わっ、なに!?」

急に足を触られる感触がしたのに驚いて足下を見ると、ズボンの隙間からくるみちゃんが手を入れて僕の足を触っていた。

「どうしたのくるみちゃん?」
「……」

くるみちゃんは僕の顔を見上げると、何も言わずに向こうにフラフラと向こうに歩いて行ってしまった。

「くるみちゃん、朝ご飯用意してあるから食べなよ…どうしたのかな?」
「…色々と難しい時期なんだよ」
「まだ4歳ですよ、どうしたんだろう…」
「もうそろそろ5歳だが」

そうなんだ…。

いつまでも子供だと思ってると、いつの間にか大人になっていくのかな。

くるみちゃんは、どんな大人になるのかな。

「あっ///」
「いい触り心地だな」
「克哉さんまで///」

克哉さんもくるみちゃんと同じように僕の足を触ってきた。

僕はあまりその辺も男らしくなくて、特に最近はさらに女性のようになってきていた。

「はぁ……僕このまま女性になってしまうんじゃないかって…時々思うんです」
「会った時からもうすでに女性のようだったけどな…」
「そんなッ!!」

あの時は一人暮らしをやっと始めてから長かった髪も切って、頑張って男らしくしていたのに!

「無理せずに居たら、どんどん女性のようになるんじゃないか」
「そんなι…そうしたら生まれつき女性みたいな事じゃないですか!僕はそんなんじゃないです!」


スカートを履きたいとか、女の子になりたいとか、そんな事は一切思った事は無い。

けど…。

くるみちゃんみたいな子供を妊娠してみたい…と思った事は何度かあった。




「男というのはあんな奴の事を言うんだ」

そう言って克哉さんが指さしたテレビには、ドイツ人のおおよそ人間とは思えない程マッチョな男性が写っていた。

「…アレはやりすぎだが」
「あんなの無理ですι」

僕はそんなに筋肉も付いてなければ、克哉さんと比べても全く逞しくない。

やっぱり…僕は生まれつきの体質まで女の子なんだろうか…。

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