《MUMEI》

…メタルスーツを着た少佐は…砂漠の上を歩きながら…何事もないかの様にしきりにこちらに手を振っておどけている…

彼の目には…備え付けてあるカメラがはっきりと見えるのだろう……


少佐の動作や足取りは…30キロもある最強の鎧を装着している割りには…軽やかで… 数十メートル先に置かれている 3 メートル四方くらいのなにやら透明な枠で作られた 建物の中へと入っていった……


カメラは建物とその中にいるロボット人間を…また違う角度から望遠レンズを使ってアップで映しだしている……
どうやら数台のカメラで撮影しているようだ 。



そして…スクリーンは 今にも飛び立とうとしている 戦闘機や ヘリコプター …… それに 砂漠を猛スピードで走しっている最新鋭の装甲車や 戦車の映像に 切り替わっている …



ライアンズが絞り出すような低い声でマイクに語りかけた…

「さぁ皆さん……いよいよ始まります……… 」



…緊張した会議室に重たい空気が流れていった……



スクリーンの映像が今度は メタルスーツの少佐をアップで 映しだしている……
もちろん……その表情は我々にはわからなかったが……
透明な檻の中…一人閉じ込められた銀色の鎧を着けた少佐の姿は…
…確かに怯えている様に見えた……。

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