《MUMEI》 そして今日も。 「また・・・。」 あの青年がいる。 病院の門内にある、一本の木の下でただ一点を見つめている。 視線の先を確認しようと振り返っても、全く見当が付かない。 いつしか下校中に謎の青年を見かけることが、ゆかりの日課となっていった。 そうしてどれくらいの時が過ぎたのだろうか。 気付けば二週間の時が経過していた。 青年は相変わらずゆかりの下校時刻だけに出没し、同じ場所に突っ立っている。 気になって何度も話し掛けようと心見たが、なぜか、彼に近づくことが出来ない。 そのまま更に、一週間の時が過ぎた。 そして調度その時、青年の表情が変わった。 前へ |次へ |
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