《MUMEI》 ガー−−ピ−−ガガ−−!! 頭上から奇妙な音が聞こえた。 咄嗟に顔を上げると天井の四隅の穴から、黒い物体が沸いて出て来る。 「わわっ!!」 あっという間に全身をその黒い物体に覆われた。 「ったく、世話の妬ける奴。」 グレイトが慌てて駆け寄り、 「そいつは客人だ。 怪しい奴ではない。」 と言うと、黒い物体は即座に離れた。 よくみるとそれは蝙蝠(コウモリ)のようだった。 蝙蝠軍隊の中から、ある一匹が不満げに言う。 「しかしグレイト様、コイツから怪しい力を感じますよ?」 「ああ、見つかったんだよ。 例の奴がな。」 「ええ! それは誠ですかっ!?」 一斉に何百、いや何千もの目が俺に向けられた。 そして嬉しそうに羽音を立てながら、俺の回りを飛び交う。 「へー、この方が・・・」 「はいはい、ストーっプ!」 グレイトが蝙蝠達を遮った。 「そっから先は禁句だ。 もちろん、コイツのことも秘密だからな?」 前へ |次へ |
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