《MUMEI》

ドタドタと激しい音が聞こえ、


勢いよく扉が開いた。


と、同時に、


「サーセン、遅れやした!」


そう言って俺の真向かいに慌ただしく座る。


そしてそいつと目が合った瞬間、


本気でしまった、と思った。


案の定そいつは、


「あーーっ!!」


雄叫びを上げて立ち上がった。


「お前昼間の!」


何でこうなっちゃうかな。


俺の真向かいに座ったそいつは、


今日会った、


黒髪に赤のメッシュが入ったおにぎり野郎だった。

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