《MUMEI》

「──だが、万一の事が起こらんとも限らなかった」




「むぅ‥」




 肩を竦める妖月。




「わざとではないのだ‥」




「分かっている。‥だがお前と私の役目はお二方をお守りする事──違うか」




「違‥わないのだ」




「分かっているならいい」




 狐叉が、妖月に玉を投げ返す。




「──ねぇ、狐叉も遊んでいったら?」




 と‥紫苑が言うと。




「ぃゃ、私は‥」




 狐叉は帰ろうとしたが、桜に呼び止められた。




「やらないか? 一緒に」

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