《MUMEI》

 紫苑も交ざり、二人と二匹で蹴毬をしていると。




「珍しいな──」




「須泱‥?」




 間違いなく、その人だった。




「久し振りだね須泱──」




「話されたのだな──」




「うん」




「何故話された‥?」




「このままじゃいけないと思ったんだ」




「───────」




「だから、ちゃんと僕達の事ちゃんと知ってもらおうって」




「左様か──」




 須泱が頷くと、妖月が彼を招こうとした。




 ‥が。




「──こら」




 狐叉に遮られてしまった。

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