《MUMEI》

「ちょっと篠河、紅茶まだなの‥!? ‥‥‥篠河‥? ──篠河ー!?」

「お嬢様、如何なされました‥?」

「あいつ紅茶の支度すっぽかしてんのよ‥全く‥‥‥」

「紅茶の支度を‥? まさか──」

「ほんとよっ、キッチンにいないもの」

「──あら‥本当。まだ部屋にいるのかしら」

「‥私行って来る」

「お嬢様‥?」

「‥昼寝してたりしたらただじゃおかないんだから‥」

「──あの、お嬢様‥今朝方お話しになられていた事‥」

「だってほんとの事じゃない。ヘマばっかりして‥。ていうか‥あんなやつ出てっちゃえばいいのよ。役立たずなんだから‥‥‥」

「どうされました‥?」

「‥‥‥これ‥‥‥」

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