《MUMEI》

「私は本来は狐なのだ、黒い‥‥‥。だが私は‥その姿が嫌いで──‥」




「どうして嫌いなの‥?」




「‥‥‥黒いから」




「黒いと‥嫌なの‥?」




「‥うむ」




「良いと思うがな──」




「──そんな事ないのだ」




「妖月‥?」




「‥狐叉は元から白いのだ。だが私は‥元から真っ黒で‥‥‥」




「‥‥‥‥‥‥‥」





「だが、人間に化けていれば気にはならないと思って‥」




「それで‥ずっと人間として‥?」




「うむ‥」

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