《MUMEI》

なのに僕は‥‥‥どうして‥。





「──っ‥」





‥寒い。





というか‥このままじゃまずい。





どこか‥風を凌げる所は‥。





「‥‥‥ないな‥」





別の場所を捜そう‥。





「──ねぇっ、ケータイ繋がらないんだけどッ」

「森下さん、篠河君見つかった‥?」

「‥お邸中捜したんですが‥」

「‥この手紙だけを置いて‥本当に出て行ってしまったんだな‥」

「まさか‥」

「──篠河君‥よっぽど思い詰めてたんですね‥」

「‥‥‥あのバカッ‥」

「お嬢様っ‥?」

「花禀っ、どこ行くの!?」

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