《MUMEI》

「──お客様」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「お客様、あの‥」

「──?」

「閉店の時間なんですが‥」

「ぇ‥」





時計を、見る。





「‥!!」





まずいっ‥もうこんな時間に‥。





「済みませんっ‥今出ます‥。ご馳走様でした──」





‥どこで夜を明かそうか‥。





自動ドアを出ると‥途端に風が吹き込んできた。





「‥寒ッ‥」





‥昼間より更に冷えている‥。





当たり前だけど‥。





「‥‥‥ぅぅっ‥」





寒過ぎる‥。

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