《MUMEI》
高山柊視点
頼がエイミーさんとうまくいったのは祐也のおかげなのは知っていた。


その祐也を、出迎えに連れてきたかった頼の気持ちは


(すっごく、よくわかる)


それでも


「何で今日なんだよ…」


(せっかく希と祐也の為に頑張ってきたのに)


俺のテンションは一気に下がった。


「…無念の中死んだ兵士みたい」


(うるさい…)


しゃがみこむ俺は今日、軍服を着ていた。


『かっこいい。強そう』


希に言われて自信満々で祐也を待っていたのに…


「ハァ…」

「柊、…明日は来るわよ」

「それに、今夜会えるじゃない、あんたは」

「そうだけどさ〜」


希と志貴に慰められる俺を、周りがチラチラ見ていたが、俺はまだ復活できなかった。


その間に、祐也の同級生達は、校舎内に入っていったらしい。


(いつまでもこのままじゃ、希に悪いよな)


俺は、気合いを入れて立ち上がった。


その時


「ちょっと、いいかな?」

「はい?」×3


拓磨君以外が返事をした相手


その男は


『サイトウ』と名乗った。

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