《MUMEI》
弘也視点・4
その日は午前中だけ休みだった。


(行くだけ行ってみるか)


今日は気になった二つの高校のうちの一つ


明皇高校の文化祭の日である事を、あの日


女と美形学生が話した日に街中に貼ってあったポスターで知っていた俺は、明皇高校へ向かった。


するとそこには、あの日の美形と


タイプの違う二人の美人


それに、体格のいいそこそこイケメンがいた。


(美形は美形を呼ぶのか?)


そう思いながらも、俺は本当の父親の苗字


斉藤と名乗った。


(へぇ…)


名乗った途端、軍服コスプレの美形と美人二人が俺を警戒した。


が…


「祐也? 何?あんたも祐也のファンか何か?今日はいないぞ。明日なら…」

「バカ拓磨!」


長身美人に叩かれた『バカタクマ』が、いい情報をくれた。


「そうですか」


(じゃあここには今日は用は無いな)


「「あんた、祐也の何?」」

「そういう、君達は?」


特にムキになる軍服美形と長身美人に向かって笑顔で訊いてみた。


「「しんゆう」」

「…そう。俺の事は祐也に訊いてくれればわかるよ、きっと」


そして俺は車に戻り


あの二人の様子に、爆笑した。

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