《MUMEI》 「し、失礼しました、グレイド様!」 口々に蝙蝠達がグレイドに、空中でペコリと頭を下げた。 「あの・・・失礼ですが、貴方の名前は?」 何匹かがこちらに向き直った。 「クラウドです。」 「クラウド様。 先程は失礼しました。」 連なるようにして何千もの蝙蝠達に頭を下げられる。 虫の居所が悪くなって、思わず咳ばらいした。 「いや、全然構わないよ。」 「そう言うことだ。 お前達はもう下がれ。」 「はい。 失礼します。」 「全員退却っ!」 グレイドの一言でリーダー格らしき人が号令をかけると、皆散り散りに天井の四隅へと飛び去って行った。 「一体何だったんですか?」 一難去ればまた一難。 もううんざりだ。 「ん? あれか? あれはピッドという奴でな、まあ泥棒避けと言ったところか? 大体の家に飼われているな。」 「はあ。」 どんだけ警備されてるんだよ、このお屋敷は・・・。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |