《MUMEI》

「し、失礼しました、グレイド様!」


口々に蝙蝠達がグレイドに、空中でペコリと頭を下げた。


「あの・・・失礼ですが、貴方の名前は?」


何匹かがこちらに向き直った。


「クラウドです。」


「クラウド様。

先程は失礼しました。」


連なるようにして何千もの蝙蝠達に頭を下げられる。


虫の居所が悪くなって、思わず咳ばらいした。


「いや、全然構わないよ。」


「そう言うことだ。

お前達はもう下がれ。」


「はい。

失礼します。」


「全員退却っ!」


グレイドの一言でリーダー格らしき人が号令をかけると、皆散り散りに天井の四隅へと飛び去って行った。


「一体何だったんですか?」


一難去ればまた一難。


もううんざりだ。


「ん?

あれか?

あれはピッドという奴でな、まあ泥棒避けと言ったところか?

大体の家に飼われているな。」


「はあ。」


どんだけ警備されてるんだよ、このお屋敷は・・・。

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