《MUMEI》

「お前はお前のままで良い」

「‥良くないのだ」




 妖月の嗚咽は止まない。





「体は黒くて‥眼は赤くて‥」




 小さな体が、震える。




「‥みんな‥私を怖がって‥」




「怖がる‥?」




「‥だから‥どうしても人間になりたかったのだ」




「‥‥‥本当は‥」




「‥っ‥?」




「認めて欲しいのだろう?」




「っ──」




「私と紫苑も同じだ。本当の自分を認めて欲しい──」




「‥どうすれば‥いいのだ‥?」




「それは‥‥‥」

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