《MUMEI》

捜索して下さった花禀様とご主人と一緒に‥お邸に帰って来てしまった‥。





「もぉッ‥バカ‥」

「‥済みません‥」

「あんたって世界一のバカね‥」

「‥済みません‥」

「ていうか何よあの手紙ッ」

「‥推敲が足りなかったですよね‥」

「違うわよッ」

「‥違う‥?」

「‥‥‥何で手紙だけ置いて出てったのよ‥」

「‥それが‥一番いいかと‥」

「ッ‥‥‥」

「‥ぇ」

「いい訳ないでしょ!?」

「済みませんっ‥」

「それからッ、ケータイどうしたのよケータイ! 全然繋がらなかったじゃないッ。電話もメールも! 何の為に私メアド教えたと思ってんのよ!?」

「‥ぇ‥」

「持ってんでしょ‥?」

「ハイ‥」

「貸してッ。──って電源入らないじゃないっ、充電位しときなさいよッ」

「花禀、篠河君取りあえず暖まらせてあげ──」

「私だって寒かったわよッ、何時間こいつ探し回ったと思って‥」

「──済みませんでしたっ‥!」

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