《MUMEI》

…『ザクッ〜ムシャグシャグシャ〜〜』

フサシのアパートでよく冷えたスイカを頬張りながら食べている二人


「あんまり落ち込んじゃダメじゃん ! 」


知佳子は最近愚痴をこぼす事の多いフサシの態度が気になっていた…


「……それで……死因とか…やっぱわからなかったの…? 」


「……ふぅ〜美味しかった〜 」

フサシは びちょびちょの口のまわりを洗いに台所へ向かう……


「… それがさ……例の郷田に聞いても心臓麻痺か疲れによる過労死なのか……はっきりと答えないんだよな…… 」


「… その前に会ったって言う彼女の恋人は ? 」


「うん……… 二人とも アリバイはあるし…関係ないらしいんだ…… でもオレ…どうも気になるんたよな…… そばに落ちていた…ケンちゃんの携帯が…… 」


「… 着信履歴が消えてたっていう…? 」


「うん…… ほら ! 見て……教授の携帯にはちゃんと…送信…残ってるだろ…………… 」


フサシは プルジンスキー教授の携帯を開くと…チカの顔に持ってきた……


「アレ……!? ……ない…ぞ………? 」


フサシはその時に確かに見た 『送信完了』の 文字も…送信履歴も きれいに消えていた……… それどころか……… あの夜の公園で確かに打ったはずの 送信履歴も完全消えていて
教授の携帯には 発着の痕跡は ……何も残っていなかった………


フサシは この教授から預けられた銀色の携帯電話が…
急に…何か 生き物の様な気がしてきて…恐怖感を覚え始めてしまっていた……。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫