《MUMEI》
9話 遊園地で追跡
あの事があってから──少し、花禀様が変わられた‥ような気がする。





「ちょっとッ、花瓶倒さないでよ‥!?」





気がするだけ‥かも知れない。





でも、以前とは何かが変わった。





「ぁ‥‥‥花禀様」

「?」

「これ──直してみたんですけど‥」

「‥ぇ」

「済みません‥ヒビ入りの鏡なんて‥縁起悪いですよね‥」

「‥別にいいけど」





手鏡──受け取って下さった。





「ほら、仕事仕事っ」

「はい!」





──頑張ろう。





『あんたがいないと調子狂っちゃうの』





あのお言葉を思い出す度に──嬉しくなる。





頑張ろう、って思えるようになる。

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