《MUMEI》

そんな時‥あの人がまたやって来た。





「花禀様、お客様がお見えです」

「誰?」

「神山さん‥」

「ほんとっ?」





たちまち、花禀様は階段を駆け下りて行かれた。





そして‥聞こえてきた楽しそうな会話。





この前キャンセルになったレッスンを、今日やるみたいだ。





「──────‥」





いきなり過ぎないか‥?





いくら何でも──当日いきなり来るなんて。





「‥‥‥‥‥‥‥」





偵察‥してみようか‥。





「篠河君?」

「‥!!」

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