《MUMEI》 吼える狼「なぁ、狩月。あのフード被ってたヒトって名前なんて言うんだ?」 ボンカーが席に着くと小声でそんな事を聞いてきた。 「ハンドのこと?」 「フード被ってる魔法使いのヒト。そうか・・ハンドって言うのか。ふむふむ・・」 なにやらメモしているボンカー。 「主人、早く食べないと冷めてしまいますよ。」 資料を読んでいる彩詩の肩を軽く揺さぶりながら声をかけている式夜。 「ふぇ?」 テーブルに並んでいる昼食に気がつき、ウィンドウを閉じると食事を始める彩詩。 「お肉ゲットだきゅ〜!」 「な、ごま副団長!それ私のです!」 「早い者勝ちだもんね〜」 式夜の皿から、肉を奪い去っていくごま。キランと目を輝かせる彩詩。 「ごま、今・・早い者勝ちって言ったよね?てりゃぁあああ!!」 目にも留まらぬ速さでごまの皿からおかずを奪っていく彩詩。 「彩は別〜〜!!」 「差別反対!」 「主人が言うと危険思想に聞こえるの何でなんでしょうか・・?」 わいわいと騒ぎながらおかずの争奪戦が始まる。 「はぁ・・」 バンプが小さくため息をつくが、そんなことは誰も気がつかない。 「貰った〜〜!」 「自分のから食べなよ!!」 「やめなよ。」 ごまと彩詩から始まりだんだん被害が広がっていく。 「隙あり!」 「彩詩様酷い!!」 「ぼーっとしてるからだろ想花。・・っておい!誰だ、俺の肉取ったの!!」 「うまいきゅ〜」 彩詩とごまが次々とおかずを奪っていく。負けじと奪い返す想花。必死に防衛する琴。 「もらっ・・・・・・・・・」 「触るな!」 式夜のおかずを奪おうとして吹き飛ばされていくボンカー。 「やめなってば。」 狩月はとりあえず静かに食事を続ける。ばれない様に、こっそりと。 ハンディングは我関せずと言った感じで席を移動し一人静かに食事をしている。 わいわい がやがや ギャース、ギャース ドカン、バキン 「・・・・・やめろ。」 ギャース、ギャース ドカン、バキン 「やめろって言ってるだろうが!!このボケナスども!!飯くらい静かに食え!!!」 バンプがキレた。 「あ・・・うん、ごめん。」 「・・・・・ごめんきゅ〜・・」 「申し訳ありません。」 「調子乗りすぎました、すみません。」 「ごめんなさい。」 それぞれが謝る。が、ボンカーは壁に埋まってフガフガと何かを言っている。 「先に失礼する。狩ノ月、そなたも食事を終えているなら少し付き合え。」 口元を拭くと、席を立つハンディング。食事中も当然のようにフードを被っている。 「え、俺?別に良いけど・・それじゃあ、先に失礼します。彩詩さんご馳走様です。」 「はいはい〜、行ってらっしゃい。」 席を立つとハンディングの後を追う。 食堂を出ると、慣れた様子でスタスタと歩いて行くハンディング。 食堂に残ったメンバーは食事を続ける。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |