《MUMEI》

「ち、違うよ!

ただ気になって・・・。」


「それを一目惚れって言うの!」


「だーかーらー、違うんだってば!

ずっと同じ場所に立ってるんだよ?

おかしいと思わない?」


ゆかりは卵焼きを啄みながら言う。


「しかももう、一ヶ月も経つんだよ?

普通気になるでしょ。」


「んー、確かにそうだけど。」


「ね?

だから私、どうにかしたくてさぁ。

智香ならどうする?」


「まったく、このお人よし!」


智香はゆかりの弁当箱に入っている、ウィンナーを口に放り込んだ。


「ああっ!

私のウィンナーが!」


「これで安くついたと思いなさいよね。」


智香は不適な微笑みを浮かべると、ゆかりを箸で指した。


「とにかく、その緑川総合病院ってとこに行ってみよう。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫