《MUMEI》

 花が終わる頃。




 二人は、久し振りに市へと赴いていた。




「──ゎ──」




 紫苑は、花や香に見入っている。




 桜は、それらの物には興味がないらしく‥ぶらぶらと辺りを歩き回っている。




(あいつ──本当は女子なのではないか‥?)




 違和感がない。




(これで元の姿だったら‥さぞ皆驚くだろうな‥)




「ねぇっ、これどう?」




(‥何故私に訊く‥?)




 どうやら今、紫苑は自分が女子の姿である事を完全に忘れてしまっているらしい。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫