《MUMEI》

「恐らく‥‥‥停電かと‥」

「だから何で‥!?」

「ええと‥‥‥」





そればかりは分かりません‥。





「ていうか‥何でよりによって食料庫にいる時にこうなる訳‥?」

「済みません‥‥‥」





僕がこんな所に逃げ込んだりしなければ‥。





──10分後。





少しずつ‥目が慣れてきた。





「‥‥‥‥‥‥‥」

「花禀‥様‥?」

「‥ちょっと離れてよ」

「‥ぁ‥ハイッ‥。でも‥寒くないですか‥?」

「‥‥‥寒くなんかないわよ」





そう仰ってますが‥声が震えてます。





「──!? 何よ‥」

「僕の執事服の上着です。あまり‥防寒効果はないかも知れませんが‥何も羽織らないよりはましかと‥」

「‥‥‥あんた風邪引いても知らないからね‥」

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