《MUMEI》

(今のはもしや‥‥‥)




気付かれぬよう、追いかける。




(‥やはり‥)




 手毬のような体が、黒いふわふわとした毛に覆われている。





(どこへ行くのだ‥?)





 更に追いかけて行くと。




 鳥の声が聞こえてきた。




(鶯か‥?)




 草蔭から覗くと、そこにいたのは確かに鶯だった。 だが、かなり幼い。




 ──雛だ。




(何故雛の所へ‥?)




「──桜ぁ!」




「‥!!」




 いきなり声をかけられ、桜が、肩を上げた。





「‥紫苑‥?」

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