《MUMEI》

「わぁ‥」





キャンドルの灯にうっとりとされている花禀様。





「キャンドル使うなんて誕生日とクリスマス位よね」

「はい──」

「で‥扉どう?」

「‥‥‥まだ‥」

「いっそ‥助けが来るまで待つ?」

「ぇ‥‥‥」





何だろう‥‥‥花禀様がいつもと違う‥?





「──ちょっと楽しいかも」

「ぇ──本当ですか?」

「うん」





その笑顔を見て、安心した。





「ぁ──ちょっとあったかくなってきた」

「よし‥」





後は扉が開けば‥。





「‥‥‥ごめん」

「──ぇ」

「‥私が扉閉めなきゃ良かったの」

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