《MUMEI》
勘違いの一言
[誰この女]


初めて会うエイミーの母親に、俺は思い切り睨まれた。


[ママ、祐也男の子]

[ユーヤ?]

[はじめまして]


一応笑顔で自己紹介すると、俺の声を聞き、エイミーの母親も笑顔で挨拶をしてくれた。


[ここに来るのに、エイミー以外の女の子を連れてくるわけないでしょう?]


呆れたように頼が言ったが、エイミーの母親はそれに対しては答えなかった。


かわりに


[ちゃんと幸せにするのよ]


そう言って、頼を睨みつけた。


[もちろん]


(良かった)


そんな和やかな空港のロビーで、すねている頼の両親


徹さんとケイトさんの存在に気付き、なだめるのに少し時間がかかったが、俺達は、何とか予定通りの新幹線に乗る事ができた。


「次の駅で祐も合流するから」


動き出した車内で、頼はまた突然予定を口にした。


(不機嫌だな)


ホームにいた祐の第一印象はそれだった。


最初、俺は祐も俺と同じで突然頼に予定を告げられたのだろうと思った。


しかし、祐は座席に座ると、信じられない事を口にした。


「雅樹が浮気した!」

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