《MUMEI》 ‥言うしかない‥よな。 ‥それしかない。 ちゃんとお伝えするんだ。 好きです、って‥。 「‥‥‥‥‥‥」 ドクンッ‥ドクンッ‥とかいう凄い音が‥僕の心臓からするんだけど‥。 「──ヤバい篠河っ、火消えそうなんだけどッ」 「──ぇ」 本当だ‥火が消えかけている。 それに‥キャンドルも半分位まで短くなってきている。 「‥‥‥私こんなとこで‥」 「──いえ、それはないです」 「‥扉‥開かないんでしょ」 「‥色々‥試してはみてたんですが‥」 僕が答えたと同時に、隣りから溜め息が聞こえた。 「ぁーぁ‥」 「大丈夫ですから」 「どこが‥?」 「ええと‥‥‥」 「‥適当な事言わないでよ」 「適当じゃないです」 「‥適当じゃない」 「だからっ‥」 それ以上、言葉が続かなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |