《MUMEI》

‥言うしかない‥よな。





‥それしかない。





ちゃんとお伝えするんだ。





好きです、って‥。





「‥‥‥‥‥‥」





ドクンッ‥ドクンッ‥とかいう凄い音が‥僕の心臓からするんだけど‥。





「──ヤバい篠河っ、火消えそうなんだけどッ」

「──ぇ」





本当だ‥火が消えかけている。





それに‥キャンドルも半分位まで短くなってきている。





「‥‥‥私こんなとこで‥」

「──いえ、それはないです」

「‥扉‥開かないんでしょ」

「‥色々‥試してはみてたんですが‥」





僕が答えたと同時に、隣りから溜め息が聞こえた。





「ぁーぁ‥」

「大丈夫ですから」

「どこが‥?」

「ええと‥‥‥」

「‥適当な事言わないでよ」

「適当じゃないです」

「‥適当じゃない」

「だからっ‥」





それ以上、言葉が続かなかった。

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