《MUMEI》
空から落ちてきたヒトは・・
十数分後・・
彩詩たちは食事を終え、修練場へと戻ると、ハンディングと狩月が修練場の前でなにやら話をしている。
「どのように使うかはそなたが決めるが良い。昼からは実戦と聞いていたが・・何をするつもりなのか・・」
「はい。とりあえず出来る限りやってみますね。」
ハンディングが彩詩たちに気がつき、顔を上げる。
「随分親密だねぇ〜ハンドって狩月みたいなのが好み?」
とりあえずからかってみる彩詩。
「痛っ!!」
高速で石が飛んできた。彩詩は避けたので、後ろにいた想花に当たる。
「・・・・・・・・昼からは何をする予定なのだ?」
小さくため息をつくと、彩詩に問いかける。
「戦闘訓練。そろそろ来るはずなんだけど・・・」
時刻を確認し、周囲を見回す彩詩。
「遅刻!!遅刻、遅刻だ〜〜〜!!」
声が聞こえた。
ズドン!!
上空から降ってきた「何か」が地面に激突する。
その隣に音も無く着地する人物が二つ。
「来たよ。」
落ちてきた「何か」を指差し笑う彩詩。後ろではバンプと式夜が大きくため息をついている。ボンカー、想花、琴は呆然と落ちてきたものを見ている。ごまは驚いて木の陰へと隠れていたり・・
「一人くらい「大丈夫か?」とか聞いてくれたって・・・」
むくりと立ち上がるとぶつぶつと文句を言っている。
「先輩、どう突っ込めば良いのか解らないと思うが?」
「えぇ・・それはないぉ〜だって彩居るし!」
全員の視線が集中している事に気がついたのか、コホン、と咳払いをすると
「フェリアス教、第13課、異端審問会所属エミ・シューゲル、以後お見知りおきを。」
と、修道衣と同じ濃紺の髪をした女性がペコリと軽く頭を下げる。
「同じく異端審問会所属、ジュレイド・アーロスだ。そこの困った奴の部下だ。」
続くように自己紹介をする黒髪の青年。エミと名乗った人物を指差しながら苦笑する。
「異端審問会所属、レイ・ノリス」
最後に自己紹介をしたのは銀髪の女性。無表情にそれだけ言うと黙る。
「彩詩さん、この人達・・一体何です?」
意を決して狩月が質問する。
「私の友人。」
「かわいいシスターだよ〜。」
彩詩が答えるのと同時、エミと名乗った人物が自分の着ている修道衣を指差しながら胸を張る。
三人とも右肩の部分に白でフィリアス教のエンブレムが描かれている濃紺の修道衣に身を包んでいる。
「・・・・シスター?」
琴があきれた様に声を出す。
「そう。」
えっへんと胸を張るエミ。
「先輩、俺たちはシスターじゃ無いんだが?審査官って事になってるはずだぞ。」
横からジュレイドがボソリ、とエミに言うと・・
「神威!!」
盛大に蹴り飛ばされた。
「君はともかく、私はシスターなの!!」
ビシ!と蹴り飛ばされて倒れているジュレイドに指差しながら、言い切る。

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