《MUMEI》 ──下弦の月の晩の事。 「花見てるの?」 「ぁぁ」 二人は縁側で落ち合った。 「綺麗だね」 「今夜が最後だな」 「ぇ?」 「ぃゃ、何でもない──」 「?」 「今日も書いたのか」 「ん‥?」 「日記」 「書いたよ──」 「そうか」 と答えて、桜は降って来る花びらを見やる。 と‥‥‥髪に、その内の一枚が落ちた。 紫苑がそれを見て、微笑ましげに目を細めた事に──彼女は花びに見とれていて気付かなかった。 前へ |次へ |
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