《MUMEI》
祐にツッコミ
「祐也もそう思う!? 仕事だとか仕事の打ち合わせとか言ってるけど絶対違うよな!?」

「いや、仕事だろ」


(それ以外無いし…て)


「痛い」


祐は俺の両肩を掴んでいて


(この、馬鹿力)


普通以上の握力の祐を、俺は睨みつけた。


「ごめん。だってさー。雅樹は元々風景カメラマン希望だったし」

「動物が向いてるんだから、仕方ないだろ」


葛西先輩は、カメラが好きだから、現状に満足していたし。


「だったらキタキツネでも撮ってればいいのに!何で芸能人!しかもイケメン!」

「そんなの葛西先輩じゃなくて、葉月さんの都合だろ。
大体、普通写真撮るならイケメンだろうが」


葉月さんはキタキツネも撮るが、人間もたまに撮る。


今回のように写真集にならなくても、有名カメラマンである葉月さんが撮るなら、普通相手はそれなりに美形だろうと俺は思った。


「う〜、だって!まさかイケメン芸能人と雅樹が接触するなんて思わなかったから! 雅樹も言わなかったし」

「普通言わないだろ。葉月さんだっていつも撮ってるわけじゃないし」

「だって!」

「うるさい」×4


最後俺以外に頼とその両親の声が重なっった。

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