《MUMEI》
おまけ扱い?
全員が集まったのを確認し、果穂さんが簡単に挨拶をした後、パーティーが始まった。


[何か、俺主役なのにおまけっぽい]


一番上座に座っていたのは頼とエイミー、それに厳の三人だったのに、厳はテンションが低かった。


(まぁ、仕方ないよな)


俺はあえて厳の独り言を無視し、空になっていた厳のグラスに持って来たオレンジジュースを注いだ。


「お前も早く決めればいいのに」


頼の言葉に、オレンジジュースを飲もうとした厳の動きが止まった。


「そう言えば、誰が残ってるんだ?」


厳と頼の父親である徹さんが、質問してきた。


母親のケイトさんは、エイミーの母親と果穂さんの会話の通訳をしていた。


「美鈴と、くるみ」

「…へぇ。美人押し退けて、頑張ってんだな。松本美鈴」

「え?」×3


(何でそこで松本?)


首を傾げる俺と厳と頼。


「まあ、お前にとってあれはよくある事だけどな」


徹さんは、ため息をついて、教えてくれた。


松本が厳を好きになったのは、厳がおまけ扱いされていた松本助けたからで、その時、頼も他の高山家のメンバーも近くにいた事を。


「…そんな前から?」


厳はかなり驚いていた。

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