《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 桜は、鶯の声で目が覚めた。 (朝か‥‥‥) ゆっくりと、起き上がる。 「ん‥‥‥、ん‥?」 ‥声が違う。 そして‥寝ていた場所が違う。 (ここは‥‥‥私の部屋か‥?) 御簾。 文机。 そして何より、これは紫苑の体ではない。 (‥元に‥‥‥戻ったのか‥) まだ夢の中にいるような気持ちで、桜はぼんやりと庭を見つめていた。 前へ |次へ |
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