《MUMEI》
パーティー終了
会場には、結局延長はどうなったのかと悩む厳がいた。


大志さんは、本当は認めてあげたいが


(演技でもああ言うって事は)


きっと認められない気持ちもあると思う。


そして、それは果穂さんも同じだと思う。


(でもなあ、どっちかっていうと)


「延長だめなんじゃないか?」


俺の意見に、厳以外の出席者が同意した。


どうやら高山一族は基本的に延長を認めない一族のようだ。


「「祐也、話がある」」

「…へ?」


そして、頭の切り替えが早く


「ここじゃなんだから、祐也のアパート行こう」

「タクシー呼ぶ。頼とエイミーは今夜ここに泊まるし」


行動も早く、強引でマイペースで


「え?」


俺は柊と志貴に拉致されるように会場である高山本家を後にした。


そんな俺達に


主に志貴と柊に、厳と祐は文句を言っていたが、二人はそれを無視した。


(…何だろう)


二人の表情は笑顔はなく、真剣そのものだった。


(今日文化祭に行かなかっただけじゃないのか?)


二人にこんな表情をさせる原因が何なのか、この時の俺にはわからなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫