《MUMEI》

「──訊いただけよ、訊いただけ」

「し‥‥‥しませんよ、ていうか‥僕は仕事をしなくてはなりませんし‥」

「ふぅん?」

「し‥したいとかも、全然‥思いませんし‥」

「あんたってどういうのが好み?」

「‥‥‥ぇ」

「女」

「なッ‥‥‥何を仰‥」

「何でいちいちテンパるのよ」

「ぃ‥‥‥きなり過ぎじゃ‥」

「あんた22でしょ? 女に興味とかないの?」

「‥そう‥‥‥言われましても‥」





あるない以前に‥僕は‥‥‥貴女が‥。





「す‥‥‥」

「『す』‥?」

「‥『す』って何よ、『す』って」

「ぃぇ‥そのっ‥‥‥特に意味は‥」





なくもないですが‥今はちょっと‥。





「──ねぇ‥? 熱でもあるの?」

「‥!!」





ドクンッ‥と‥体全体が鳴ったような感じがした。





‥目が回りそうだ。





「‥ちゃんと体あっためとかないからよ」

「‥‥‥‥‥‥‥」





違うんです‥‥‥花禀様の手が額に触れているからなんですっ‥。





「‥ほら、猫耳」

「いえっ、大丈夫です‥寒くはっ‥全然ないですから、ハイッ」

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