《MUMEI》

‥どれ位経ったんだろう。





‥バキッ、と音がしたかと思うと‥





「‥!?」





扉が前に傾いて‥そのまま僕と花禀様は食料庫の外に放り出された。





「‥‥‥‥‥‥‥」





今‥どういう状態かというと‥‥‥扉、僕、花禀様、という順番で折り重なってしまっているんです‥。





幸い、ワインセラーは前の方に転がっていたので怪我はしなくて済みました。





「──‥やっと出られ‥‥‥」

「花禀様?」

「何でもないわよ‥っ」





慌てて起き上がった花禀様。





地下への扉は開いたままにしてあったから‥‥‥微かに花禀様が照れてらっしゃるのが分かった。

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