《MUMEI》

その胸中では『まさか』と思いつつも、相反するように『只の偶然』と自分に言いきかせる。



二人の会話は、窓の外を流れる中央分離帯のフェンスの如く、淡々と単調に綴られてゆく。




J社長「突然の訃報というと、事故か何かか?」



運転手「いえ……。」



カツ丼マンは、その先の言葉をつぐんだ。



おそらく返答に困ったか、言いたくなかったのだろう…。



J社長「……。」



問いかけを無視された格好のジャムおじさんだったが、デリケートな領域にむやみに踏み込む訳にもいかず、そのまま沈黙を続けるほか無かった。

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