《MUMEI》
リユウ
「ボクはね、ずっと魔法の国に住んでたんだ。でもある時──外の世界を見てみたくなったんだ」

「外の世界‥?」

「うん。だからボクは魔法の国から逃げ出したの」

「それが‥リユウ?」

「うん♪」

「ねぇ、帰らなくていいの、ラロ?」

「だってボクは悪戯好きで悪さばかりするからって、迷惑がられてたし。それに、こっちの世界の方がずっと楽しそう♪」

ラロは

目をキラキラさせた。

それからラロは

私の肩から飛び上がって

部屋の中を飛び回った。

「あ、ねぇラロ」

「ん?」

「さっきの花瓶‥戻してくれない?」

「あ、えっとね〜、ムリなんだ」

「え‥?」

「ボク、あんまり魔法上手く使えないみたいなんだよね〜」

「それって‥」

「消えた花瓶は戻せないってコト♪」

「えええ‥」

そんなぁ‥。

「だってボクは悪戯好きだし♪」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫