《MUMEI》 リユウ「ボクはね、ずっと魔法の国に住んでたんだ。でもある時──外の世界を見てみたくなったんだ」 「外の世界‥?」 「うん。だからボクは魔法の国から逃げ出したの」 「それが‥リユウ?」 「うん♪」 「ねぇ、帰らなくていいの、ラロ?」 「だってボクは悪戯好きで悪さばかりするからって、迷惑がられてたし。それに、こっちの世界の方がずっと楽しそう♪」 ラロは 目をキラキラさせた。 それからラロは 私の肩から飛び上がって 部屋の中を飛び回った。 「あ、ねぇラロ」 「ん?」 「さっきの花瓶‥戻してくれない?」 「あ、えっとね〜、ムリなんだ」 「え‥?」 「ボク、あんまり魔法上手く使えないみたいなんだよね〜」 「それって‥」 「消えた花瓶は戻せないってコト♪」 「えええ‥」 そんなぁ‥。 「だってボクは悪戯好きだし♪」 前へ |次へ |
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