《MUMEI》

それから暫く、僕は掃除をすっかり忘れて日記を読み耽っていた。





【6がつ12にち あめ】

【ささがわがカゼひいた。ねつがあるから、あんまりちかづかないように、っておかあさまがいったけど、しんぱいだったからそばにいた。】





──ビックリした。





あの日は、ほとんど眠りっ放しだったから‥花禀様がずっと付いて下さっていたなんて知らなかった。





にしても花禀様──どうしてこんなに僕の事ばかり書いてらしたんだろう。





「〜〜〜〜〜〜‥」





分からないな‥。

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