《MUMEI》
エガオ
「だいじょぶだよ、ラロ」

「うん‥ありがと羽音」

そう言って

ラロは笑った。

「ボク、何か元気出て来たかも♪」

それは

凄く

暖かなエガオだった。

「ね、羽音」

「何?」

「また──紫苑に会ってもいい?」

「いいよ、紫苑がやだって言わなければね」

「紫苑は、ボクの事嫌いなのかな‥」

「そんな事ないよ、ただ‥ちょっとビックリしちゃっただけだから」

「ほんと‥?」

「ほんとだよ」

「そっか、ありがと♪」

ラロは

私の両手から飛び出した。

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