《MUMEI》

「って‥‥‥」





また見失ってしまった‥。





「花禀様ぁ‥」





僕を置いて行かないで下さい‥。





おみくじはいいですから助けて下さい‥。





「ねー、何でネコさんの耳してるの?」

「ぇ」





ええと‥。





「ぁ‥‥‥暖かいんです、こうしてると──」





‥あからさまな言い訳。





「そっか♪」

「──ハイ‥」





納得してくれた‥。





「──篠河ー!」






花禀様の声。





と‥思ったら。





「‥!?」





何かが、僕目掛けて飛んできた。

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