《MUMEI》

  
「ん…///」

あれ…キスだって、何日ぶりだろう…。

そんなに長い間、僕はくるみちゃんに構いっきりになってて、克哉さんとのこういう時間がないがしろになってたんだな…。


「…はぁ…ん///」

克哉さんが仕事で居ない時間もあったけど、僕もなんとかすればこういう時間も取れたかもしれない。

でも、その間も僕はずっとくるみちゃんの方に行ってて…。

その間、克哉さんはどうしてたんだろう。

「…ん…ぁ///」
「確かに、甘いな」

そう言って今まで絡み合っていた僕の舌をペロリと舐めるてくると、今まで見たことも無いくらい子供っぽい顔で笑っていた。




グラスを部屋のサイドにあるテーブルに置くと、克哉さんは僕の着ていた服を脱がしながら露わになった肌にめいっぱいキスをしていた。

「ん…あっ///…や…誰かが…いっぱい見てますよ///」

僕らがこんな事をしていると、周りの人達がなんとなく集まってきてこっちを覗き込んできていた。

「いい…それにココは、そういう所だ」

克哉さんにそう言われて耳をそばだててみると、他の所から男性同士の”あの声”が聞こえてきた。

「な……ぁっ///」
「恥ずかしいかい?」

恥ずかしいし、そんな事人前で出来るワケ……。

前に、あの人にコレと似たような所に連れてかれた事があった。

こんなに凄いトコじゃないけど…周りに居る人達に僕の全部を見られて…。


なんで僕って、いつもこうなんだろう…。



「あっ、な…何ですかι」

急に目の前が暗くなったかと思ったら、布のようなものを巻かれ、有無を言わさず目隠しをされていた。

「恥ずかしいのなら、見えないようにな」
「うっ…そ…そんな///」

目の前が見えなくなった事で恥ずかしさは軽減されたけど、見えない視線に全身がくすぐられているようで、背筋にゾクゾクとしたものが走るようなカンジがした。

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