《MUMEI》
………(災い)
何故かあの日以来…知佳子の記憶が日増しに薄れていった

奇しくも治療先の某××大附属病院のドクターは専門家チーム等を作り知佳子の脳〜身体の組織に至るまで 徹底的に調べ尽くしたが
結局確信となる結論は不明なまま…… 何か特殊な記憶喪失型急性アルツハイマー病の様なモノとして…… 診断されていた 。

この自分の名前さえも思い出せなくなってしまった知佳子の両親は
突然の不幸な病に犯された可哀想な娘を 常時看病してやらなければならなくなったが………
当の本人である知佳子にはそれが誰なのかさえわからなくなってしまっている……


もちろん恋人であるフサシとの甘い記憶も……積み重ねられた薄いコピー用紙のように一枚一枚と消えていった…… 。

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