《MUMEI》

鏡を見た時‥かなり巫女っぽい、とは思ったけど‥まさか本当に巫女と間違えられるとは思わなかった。





「───────」





マジマジ見ると‥ますます女っぽいな‥。





‥って気にしてどうするッ‥。





着替えてから、机を見たら‥花禀様の日記があった。





結構お返しするタイミングを逃してしまい‥部屋に勝手に持って来てしまった。





【6月21日 はれ】

【ささがわとさんぽにいった。ささがわは、なんかいもころびそうになってた。】

【こうえんで、きゅうけいした。ささがわが、ジュースをかってくれた。】





少し不格好な文字を辿っていく内に、何だか心が暖かくなるような感じがした。





「──篠河ぁ! お腹空いたって言ってるのっ」

「はいっ、ただ今!」





枝折を挟んで、日記を机に置く。





【かりんのにっき】





花禀様にこれをお返しするのは──もう少し後になりそうだ。

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