《MUMEI》

「何よ」

「‥‥‥僕‥‥‥」





‥花禀様を直視出来ない。





‥言わないと。





ハッキリ‥伝えないと。





「僕‥‥‥ずっと‥」

「──ぁ、電話」

「‥ぇ」





電話‥。





「──うん、分かった──じゃあねー♪」





‥たぶん‥‥‥いや‥絶対神山さんからだ。





また‥どこか行かれるんだろうか。





「──篠河? さっき何か言いかけてたけど何?」

「ぃぇ‥」





‥どうして言わないんだ‥?





好きなのに‥。

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