《MUMEI》 明日の事「…明日は、明皇に来ない方がいいよ。 ここにいなよ」 「…え?」 (あんなに来いって言ってたのに?) 驚きのあまり、俺は顔を上げた。 「そうよ、祐也。一人が暇なら誰かファンクラブ会員付けるから。 涼風君辺りが喜びそうだし」 「…志貴?」 そして二人は口を揃えた。 「「後は任せて」」 「駄目だ!」 「「祐也?」」 「駄目だ! アイツは今までの連中とは違うんだよ!」 俺を利用しようとした奈都や、ストーカーだった松木の時と、今回は 違い過ぎる。 「アイツに、高山家の一員である事は通用しない」 弘也は、日本一の大企業 春日グループの春日家の 表向きとはいえ、直系で 当主の兄なのだから。 「手を出すのは、危険だ。危険過ぎる」 (もし、もしも、万が一) 志貴が、柊が …俺と同じ目に遭ったら。 「絶対、駄目だ」 「「でも」」 「駄目だ。その位なら、俺が直接会って決着をつける」 (そうだ、それが一番いい) 元々これは、俺の問題なのだから。 「いつまでも、アイツの存在に怯えて生活したくない」 それは俺の本音だった。 前へ |次へ |
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