《MUMEI》
揺るがぬ決意
「そっちの方が駄目よ!」

「そうだよ、祐也!」

「これが一番いいんだ」


自分の為にも


周りを巻き込まない為にも


(これが、一番いい)


「せめて、忍さんに相談してから…」

「忍は仕事で忙しい」

「祐也の為なら飛んでくるわよ!」

「今回は、一人で解決したいんだ」


(いつまでも忍に頼ってばかりいられないし)


「それに、俺だって、弱くないつもりだ」


あの頃とは違う。


体格も、力も。


「じゃあ、せめて近くで見守っていい?」

「それは…」

「じゃなきゃ、明日はここから出さない」


(お前、文化祭休む気かよ)


そう柊にツッコミたかったが


柊の目は本気だった。


(仕方ないな)


俺は、『会話が聞こえない距離に離れてくれるなら』と二人に条件をつけた。


弘也はきっと、ろくな事を言わないだろうから。


志貴と柊は最初反対したが、結局俺の意見に同意してくれた。


そして、柊は俺の部屋に


志貴は、誰もいない隣


エイミーの部屋に、泊まり


…朝を迎えた。


忍には、昨夜寝る前に弘也の事以外について報告メールを送っておいた。

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