《MUMEI》

部屋に戻って、早速箱を開けた。





中には、ハートのチョコレート。





「───────」





端の方を割って、口に入れる。





──甘い。





甘くて──ちょっぴりしょっぱい。





塩味?




──違う。




僕の涙の味。





今まで食べた、どのチョコレートよりも美味しい──そう感じた。





幸せな気分になった。





花禀様が、一生懸命に作って下さっている姿が浮かんできて‥嬉しくてたまらなくなった。





花禀様──ありがとうございます──。

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