《MUMEI》

バレンタインの日‥告白するつもりがやっぱり駄目で‥‥‥。





僕は未だに‥花禀様に気持ちをお伝えする事が出来ていない。





‥もう時間がない。





「ねぇっ、これは?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「篠河ってば」

「篠河君‥?」

「‥‥‥ぇ」





花禀様と森下さんが‥僕を見つめていた。





「‥何?」

「──ぃぇ、そちらのドレスも素敵ですね──」





花禀様はどんな、ドレスもお似合いだ。





それにしても‥何て嬉しそうなんだろう。





あれからもう12年‥。





‥いつの間にか‥こんなにも大人びてらしたんだ。





知らない内に──‥。

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