《MUMEI》

「ぇ‥お嬢様が‥?」

「はい‥‥‥突然‥泣き出されて‥」

「──やっぱりお嬢様ほんとは‥篠河君と並びたいのよ」

「それは違いますよ‥」

「篠河君と同じように‥身分が違うとか、迷惑かけるとか‥そういう事気にされて‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「篠河君」

「‥ぇ‥‥‥って森下さんッ‥!?」





いきなり引っ張られて向かったのは‥あろう事か花禀様のお部屋。





「ちょっ‥森下さん何を‥」





森下さんは‥答えずに扉を開けた。





「ぁ、森下──と‥篠河‥」

「突然お邪魔して済みませんお嬢様‥。1つ‥‥‥お伝えしなくてはならない事がありまして‥」

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