《MUMEI》

花禀様のドレスも決まり、後は当日を待つだけ。





式は‥明後日。





「──明後日、か‥」





まさか‥本当に神山さんとご結婚される事になるなんて。




「──篠河っ♪」

「花禀様‥‥‥」

「あんたも式来てくれるわよねっ?」

「‥はい、勿論です」

「良かったわね──うるさいわがまま娘とも明後日でお別れよ?」

「‥ぇ」





それって‥ご自分の事ですか‥?





「お父様達の事宜しくね? ま、森下がいるから大丈夫だろうけど──」

「‥あの‥」

「──お疲れ様」

「っ‥」

「‥‥‥ありがとね、私なんかの面倒見てくれて」

「‥ぇ‥‥‥」





何故泣いてらっしゃるんですか‥?





僕の事はもう──忘れて下さい。





貴女には‥神山さんがいらっしゃるんですから──。

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